分かり易いトレーサビリティ体系図の書き方

ハカリが正確な値を示すかどうか、証明する手段のひとつがトレーサビリティ体系図です。どんな計量器にも誤差は発生する可能性があります。国家標準器や国際標準器で計れば誤差はゼロに近くなりますが、1台しかないため誰でも使えるわけではありません。そこで国家標準器と比較して校正を行ない、同じ値を示すようにした計量器なら、まず正確性が高いと言えます。このような計量器を参照標準器とか一時標準器とか呼んでいます。参照標準器と比較して校正した計量器を実用標準器とか二次標準器とか呼んでいます。私たちが実際に用いる計量器は、ほとんどの場合、さらに実用標準器を使って校正したものになります。トレーサビリティ体系図とは、このような校正の繋がりを分かりやすく図にしたものです。

計量器と標準器の繋がりを矢印で示す

トレーサビリティ体系図では、上端(または左端)に国家標準器や国際標準器を示します。日本の場合は産業技術総合研究所となるのが基本です。その下に、国家標準器で直接校正を受けた参照標準器を記入し、上向きの矢印で繋げます。矢印はトレースの方向を示し、末端の計測器から国家標準まで繋がっていることを表します。参照標準器は国の認定校正事業者や公共校正機関になることが多くなります。参照標準器の下に、それで校正を受けた実用標準器を矢印で繋げ、さらに実用標準器で校正された計量器を繋げていきます。計量器によっては、矢印が何段階にもなる場合があります。また計量器が複数の標準器で校正されている場合は、下位の計量器から出た矢印が枝分かれして、各々上位の標準器に繋がります。

体系図の発行と校正証明書による代用

最下段には個々の製品名や、長さ・電力・周波数など測定する物理量を示します。なお産業技術総合研究所のほか、アメリカやドイツの研究機関が上端に来ることもあります。もちろん経由する段階が少なく、製品から一時標準器に直接繋がる場合もあります。トレーサビリティ体系図があれば正確性と不確かさを客観的に把握する証拠になるため、各種製造現場やスポーツの公式記録を測る際にも必要になることがあります。体系図は専門の業者に依頼すれば、料金はかかりますが比較的簡単に発行できます。なお公的機関の発行する校正証明書があれば、体系図の代わりに計測器のトレーサビリティを証明することができます。どちらを要求されるかは、相手企業や場面によって異なり、それぞれで使い分けられます。